神経筋疾患による側弯変形に対する保存療法として、2007年にDynamic Spinal Brace(DSB)を開発いたしました。それは単純に経験的、臨床的に開発した装具なので不完全なところもありますが、多くの障害児に受け入れられ今では1,300名近くにもなります。また直接障害児と接する事の多いtherapistおよび義肢装具士からの見学・製作依頼も多く寄せられ、次第に各地からDSBに対しての要望が出てくるようになりました。しかしそれと同時にDSBとよく似た装具も各地で見られるようになってきました。DSBは今までの側弯治療の装具と治療概念が異なりますので、私たちの考えと異なった装具が散見されるようになったのです。
日常最も多くの障害児治療に携わっておられる医師(多くは小児科医、リハビリテーション科医、小児整形外科医)が、必ずしも側弯治療の御経験が深いとは限らないでしょう。しかし、本来なら現場の医師の指導の下でtherapistや義肢装具士がDSB製作・使用し、治療が行われるべきだと考えます。また装具の限界を考えますと手術をする医師にご相談なさることも必要ですし、術後の長期のリハビリ治療を行う必要も出て参ります。 つまり主治医となる医師が中心になり、コ・メディカルへの指示・指導、それから手術をする側弯専門医も含め、長期にわたる総合的一貫性のある治療が必要なのです。そのためにはまず、主治医となる医師に側弯及び治療の基礎を知って頂き、次に私たちが経験してきたDSB治療をお伝えし、さらには側弯専門の書物を読み進んで頂ければと思っております。
以上のようなことから敢えて浅学の身を顧みず、基礎講習会を開催することに至りました。皆様にはこのような趣旨を何卒ご理解いただき、ご賛同・ご参加いただければ幸いでございます。
社会福祉法人 愛徳福祉会
名誉理事長 梶浦一郎
※DSB製作技術取得者とは・・・
DSB基礎講習会を受講しただけでなく、講習会修了後にDSBを製作し、
1.設計(処方)
2.工作
3.適合(X線評価)
の3項目において審査を受け、その技術が一定基準を満たしている者
ドクターが受講できないので、義肢装具士だけで参加できませんか?
大変申し訳ございません。
受講については装具の製作指示・処方される先生の参加をお願いしており、義肢装具士だけの受講は原則認めておりません。
医師です。以前センターで講習を受けましたが、再度受講する必要があるのでしょうか? また、このDSB基礎講習会を受講しないと、DSBが処方できないのですか?
受講しないと処方が出来ないなどはございませんが、受講されることをおすすめ致します。
このDSB基礎講習会は側弯の歴史やDSBの原理・特長・計測の仕方や装具製作に関する情報など、これまでの短時間の研修ではお伝えしきれない内容となっております。すでに研修を受けられた先生方をはじめ、側弯に興味をお持ちでこれからDSBを製作していきたい、という先生方にも受講して頂きたい内容となっております。
同じ施設(会社)から複数の受講は可能ですか?
はい、大丈夫です。
受講料は参加される人数分かかりますが受講できます。(ただし工場実習の関係上、同会社から義肢装具士の受講は基本2名までとさせていただきます。)
義肢装具士です。医師が他施設でも診療を行っており、その施設の装具士と受講申込みをされた場合、こちらでは受講できないのでしょうか?
いいえ、受講できます。
装具の処方・指示される医師1名に対し、製作する義肢装具会社が2社(他施設であっても)の場合、それぞれの装具会社から義肢装具士の受講はできます。
医師がすでに講習会を受講済の場合は、どうしたらいいですか?
このような場合、受講申込用紙の医師記入欄に医師の氏名と受講修了番号をご記入していただき、お申込みいただければ結構です。
義肢装具士です。以前から何度もDSBを製作されている義肢装具会社の工場に出向き、製作の手順等を教えて頂いていますが、それでも講習を受けないといけないでしょうか?
はい、受講していただきたいです。
本講習会以前にDSBを製作されている装具士さんもおられると思いますが、この講習会は装具に関する話だけではなく、これまでの側弯の歴史や計測方法、診断、そしてDSBについてもっと理解を深めて頂く講義内容となっております。また、多くの装具士の方々はDSBを忠実に製作していただいているのですが、中には本来のDSBとは異なった装具を誤って製作されているのもございます。これをDSBとして使用されている事が非常に残念に思います。ここでは改めてDSBに関して学び直していただき、共通理解のもと製作にあたっていただきたいと考えております。
DSB基礎講習会を修了すれば必ずホームページに掲載されるのでしょうか?
ホームページ掲載には必ず同意を確認してから掲載をいたします。ホームページの掲載を控えたい場合はお申し出くだい。
DSB製作技術審査は受講した義肢装具士全員が受けないといけませんか?
はい、受講した義肢装具士全員がDSB装具を提出し、審査を受けていただく必要があります。もしDSB装具製作の該当者がいなければ、当センターからモデルの型を貸出をして製作していただきます。
DSB基礎講習会を受講し、DSB製作技術取得証をとって、何か利点はありますか?
まず講習会では普段会わない他施設の医師、義肢装具士が一同に会するのですからお互いの情報交換ができ、装具製作上で困っている症例検討や質問などが直にできます。今後はDSBホームページの会員専用ページを制作し、DSBに関する最新情報やそれらに関連する事柄を優先的にお知らせを予定しております。判断に困る症例や製作でお困りの事など、受講された皆様との意見交換、情報交換が出来る等と考えております。